「日本酒は今まであまり飲んでいなかったけど、ちょっと飲んでみようかな。
でも、どれを選べば良いのか全然わからない…。」
こういった悩みを持っている方、結構いるのでは。
そんな「日本酒初心者」の方に、どのように選べば失敗しないかを考えてみたいと思います。
日本酒を選ぶ
日本酒の種類
そもそも、日本酒の種類とはどれだけあるのでしょうか。
日本酒の蔵は約1,600、銘柄は1万5千種類あるとも5万種類あるとも言われています。
それだけある中から「これ」というお酒を選ぶのは、非常に難しいです。
でも、ある程度目星をつけることは可能です。
日本酒のタイプで選ぶ
日本酒には、4種類のタイプというのがあります。
香りが華やかな「薫酒(くんしゅ)」
爽快で清涼感のある「爽酒(そうしゅ)」
ふくよかでコクのある「醇酒(じゅんしゅ)」
熟成香があり味わい深い「熟酒(じゅくしゅ)」
「こんな味わいのお酒が飲んでみたいな」
「プレゼントするときこんな感じものをあげたいな」
などと考えたときに、これら4種類のタイプを知っていればある程度の目安にはなります。
また、「特定名称酒」というのが8種類あります。
特定名称酒はそれぞれ違った特徴を持っていますので、4種類のタイプと合わせて考えれば選択の幅はさらに広がります。
さらに言えば「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」もあわせて考えれば、選択幅は無限に広がります。
食べるもので選ぶ
お酒から選ぶのではなく、なにを食べるのかというところからお酒を選ぶという方法です。
日本酒は和洋中を問わずどんな料理にも合わせやすく、食中酒として非常に優れています。
その中でも、「特に相性が良い組み合わせ」というのがあります。
淡白な風味の食べ物にはすっきりしたお酒、濃厚な風味の食べ物には芳醇なお酒を合わせると、ほぼ失敗しません。
例えば「カルパッチョ」や「酢の物」などには「大吟醸酒」「吟醸酒」などの華やかでさっぱりしたお酒。
「豚の角煮」や「ビーフシチュー」などには「純米酒」「古酒」などのどっしりした風味のお酒がよく合います。
すこしレベルが上がりますが、個性の異なる食べ物とお酒を合わせるやり方もあります。
お互いの良さを引き出しあったり、新たな味わいが生まれたりと、うまくマッチすれば非常に面白いです。
例えば「かば焼き」には「純米酒」などのこってり系のお酒を合わせるのが定石。
そこで、あえて「本醸造酒」などの爽やかなお酒を合わせてみるのも、また面白い組み合わせになったりします。
しかしながら、ワインほど顕著ではないですが相性がよくない組み合わせもあります。
白身魚などの淡白な刺身に古酒などの強すぎるお酒は、両方の良い部分を打ち消しあいますのであまりおすすめしません。
本当の酒飲みは「味噌」や「塩」をあてにして日本酒を飲む、などと言われたりします。
そこまでしなくても良いにせよ、塩辛い珍味やおかきなどは全ての日本酒に合うといっても過言ではありません。
「塩辛」や「酒盗」などには、どんなお酒よりもやっぱり日本酒が合います。
シチュエーションで選ぶ
ちょっと良い所へ恋人と食事に行ったとき。
大衆居酒屋でワイワイとみんなで飲んでいるとき。
家で一人でちびちびと味わいながら一杯やるとき。
お酒を飲むときにはいろいろなシチュエーションがあります。
そんなときはシチュエーションに合ったお酒を選ぶと、さらにおいしく頂くことが出来ます。
格式高い割烹に行ったときには、その料理の格にあった上品なお酒。
ワイワイ飲むときには、カジュアルな飲みやすいお酒。
家で一人飲みのときには、味わい深いお酒。
それぞれのシチュエーションに合ったお酒を探すのも、また楽しい時間です。
その時々に合わせたお酒をたしなむのが、おいしく頂けるコツだと思います。
「その時々に合わせたお酒を選ぶ」と口で言うのは簡単ですが、実際どれを選べばよいかが難しい所だと思います。
そういう時は、お店の人に聞いて選んでもらうのが一番手っ取り早いです。
食事に行ったときは、合うお酒を選んでもらう。
家で飲むときは、こういうものが欲しいと店員さんに聞いて選んでもらう。
お店の人は、いわばその道のプロフェッショナルです。
自分で決められない時は、質問すれば的確なアドバイスをもらえます。
言い方は悪いですが、使えるものは使ってしまいましょう。
最終的には勘
身も蓋も無いことを書いてしまいますが、最終的には「勘」が頼りです。
人によっておいしいと感じるポイントに多少のズレがあるので、どれがベストというのは決めづらいということがあります。
本やCDなどを「ジャケット買い」するのと同じように、ピンときたものを選ぶのが一番しっくりくるし後悔もないでしょう。
名前やラベルにひかれたから選ぶ、ということから始めてみるのもワクワクするものです。