「生ビールはおいしい!」
これは間違いありません。
しかし、「生ビールは、生だからおいしい!」
というのは、どうなのでしょうか?
やっぱり生ビールでないと。
熱処理しているビールなんてまずくて飲めんわ。
もし、知ったかぶりで嫌な上司にこんなことを言われたら…
やっぱそうですよねー
(本当かよ。うさんくさいな。)
と思ってしまうのも、無理はありません。
はたして、生ビールがおいしいのは「生だから」なのか?
そこで、今回は「飲んだだけで生かどうか判断できるのか」という観点のみで検証してみました。
生ビールと熱処理ビール
ビールは、大きく2種類に分けられます。
・製造時に熱処理しているもの
・製造時に熱処理をおこなわないもの
「製造時に熱処理をおこなわないもの」が、いわゆる「生ビール」ということになります。
そして、その「生ビール」にも2種類あります。
1.ろ過や熱処理をまったく行わないもの
2.目の細かいフィルターでろ過をして、除菌しているもの
日本の大手ビールメーカーの生ビールは、ほとんどが「2」になります。
今回は、一般的によく飲まれている「2」の生ビールで検証してみたいと思います。
2種類の生ビールについては、「ビールの「生」ってどういうこと?に答えます」という記事にくわしく書いていますので、よければご参照ください。
キリン ラガービール
今回使うビールは、
「キリン ラガービール」
です。
商品ラインナップ|キリンラガービール|ビール・発泡酒・新ジャンル|キリン (kirin.co.jp)
「キリン ラガービール」には2種類あります。
「キリン ラガービール」
「キリン クラシックラガー」
どちらも、キリンのラガービールです。
大きな違いは
「熱処理しているか否か」
ということ。
「ラガービール」が生ビールで、「クラシックラガー」が熱処理しているビール。
その違いを実際に飲み比べてみます。
飲み比べてみました
![キリンラガービール](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu5-1024x683.jpg)
まずは、「キリン ラガービール」。
よく見かけるのはこちらです。
![キリンクラシックラガー](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu6-1024x682.jpg)
対して「キリン クラシックラガー」。
少しクリーム色がかった、高級感のあるデザインです。
![キリン ラガーとクラシックラガー](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu7-1024x682.jpg)
栄養成分表示です。
ほとんど違いはありません。
大きな違いは、「キリンラガービール」には金色で「生 非熱処理」の文字がある、ということ。
さて、実際に飲んでみることにします。
![キリンラガー](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu2-1024x683.jpg)
こちらが「キリンラガービール」。
生ビールになります。
きれいな琥珀色でホップの爽やかな香りと味わいです。
![キリン クラシックラガー](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu1-1024x682.jpg)
そしてこちらが、熱処理ありの「クラシックラガー」。
・・・ん?
少し苦みとコクが強いように感じますが、そこまでの違いは感じません。
味は確かに違いますが…
![飲み比べ](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu3-1024x682.jpg)
並べてみました。
すみません…どっちがどっちかわかりません…
僕もです…
![ラガーとクラシックラガー飲み比べ](https://sake-beer-shochu.com/wp-content/uploads/2021/05/nama-or-netsu4-1024x682.jpg)
それぞれの缶をおいてみました。
それでも、色あいの違いはよくわからないレベルです。
かつて行われた比較テスト
じつは、公的機関でこのようなテストは過去に行われていました。
国税庁醸造試験所(現・酒類総合研究所)で官能検査による比較が行われた。
つまり、それぞれ充填されたばかりの「低温殺菌されたビール」と「低温殺菌されていないビール」を目隠しで比較テストしてみた、ということだ。
その結果、「違いは認められるものの、熱処理の有無で味や香りに差はない」という報告が出ている。
出典:青井博幸(2019)『ビールの教科書』 講談社学術文庫
お酒を見分けるプロにしても、「生」かどうかの判別はむずかしいという見解です。
私の感想も、はずしていなかったようで安心しました
たしかに違いはある
「キリン ラガービール」と「キリン クラシックラガー」。
まったく同じビールではないので、今回の飲み比べについては異論があるかもしれません。
ただ、ひとつ言えることは、
「生かどうか」なんて、飲んでもわからん。
これにつきます。
たしかに、味は違います。
しかしながら、「生かどうか」という判断は、私にはまったくつけられませんでした。
わかるわけあらへん。
魚やあらへんねんから。(個人的意見です)
「いや、そんなことはない。絶対生の方がうまい!」
とおっしゃる方には、「クラシックラガー」を冷えたジョッキに入れて飲ませてあげてください。
生かどうかは、99.9%わかりませんから。
もし、
「ん?これ熱処理しているビールじゃないの?」
とおっしゃる方がいらっしゃったら…
ビールメーカーへの転職をおすすめします(笑)。
「生ビールかどうか」だけにこだわるのは、ナンセンスです