賞味期限が切れた「チーズ」。
見た目やにおいは大丈夫なのに「期限切れだから」といって捨てている、ということはないでしょうか?
ひょっとして、それはもったいないことをしているかも知れません。
国内で販売されているチーズは、「賞味期限」の記載が義務になっています。
ですので、どんなチーズにも賞味期限が書いてあります。
でも、期限切れのほうがおいしくなるチーズがあったりするんです。
賞味期限を気にせず食べられるチーズとは、いったいどんなものなのか?
それを今回は掘り下げてみましょう。
チーズの賞味期限
「チーズ」といっても、その種類はさまざまです。
それぞれのチーズによって、賞味期限の考え方に違いがあります。
チーズの種類については、「チーズ入門!7種類のチーズを知ろう」という記事にくわしく書いています。
ナチュラルチーズの場合
「モッツァレラ」や「マスカルポーネ」など、熟成をさせないタイプのチーズ。
フレッシュチーズは、できたてが一番おいしいといわれています。
よって、賞味期限にかかわらず早めに食べるのが〇。
手に入れたら、遅くとも2~3日以内にすべて食べきるのがよいでしょう。
「カマンベール」「ブリー」に代表される、表面が白カビでおおわれているチーズです。
白カビがチーズの熟成をすすめますので、あっさりした食べやすい味わいがお好きなら早めに。
とろっとしたコクのある味わいが良ければ、賞味期限を過ぎているくらいのほうがおいしくいただけます。
個人的には、「チーズのまん中にある芯の部分がドロドロに溶けて完熟している」くらいのものが好みです。
でも、熟成がすすめばアンモニアっぽい香りが強くなります。
完熟とは、誤解をおそれずにいえば「腐る一歩手前」です。
そのあたりの判断は、自己責任ということになるでしょう。
また、カットされたものは切り口からいたんでくるので、3~4日中に食べきるのがおすすめです。
チーズの中に、大理石のもようのように青カビが入っているもの。
「ロックフォール」「ゴルゴンゾーラ」が有名です。
青カビチーズは、食べごろの状態でカットされて店にならんでいることがほとんどです。
ですので、手に入れたら早めに食べるのが良いでしょう。
目安としては、だいたい1週間以内。
カビが青から黒や白っぽく変わってきたり水が出てきたりすると、風味が落ちますし傷みやすくなります。
表面をお酒や塩水で洗って熟成させたチーズです。
ウォッシュチーズに関しては、賞味期限前後が一番おいしいです。
熟成がすすむと、チーズの中心がへこんできて中身がとろけるようになります。
あまり若いものだと、そんなウォッシュチーズの良さが味わえません。
指でチーズのまん中を押さえてみて、柔らかくなっていれば食べごろです。
「ゴーダ」「パルメジャーノレッジャーノ」などの、硬くて大きいチーズ。
大きいものでは1個30㎏くらいあるので、丸ごと買うのは飲食店の人かハードチーズが主食の人くらいでしょう。
一般的には、カットされているものを入手することになると思います。
ハード系のチーズは、丸ごとなら非常に長持ち。
年単位で熟成させるものも多いです。
でも、カットすると切り口から風味が抜けて乾燥してきます。
おいしく食べられるのは、カットして2週間くらいが限度かなと思います。
ヤギの乳でつくられたチーズを、シェーブルチーズといいます。
はっきりいいます。
シェーブルに関しては、賞味期限は関係ないです。
好きなの買ってください。
若い時と熟成した時の味わいの違いを楽しむようなチーズです。
賞味期限が気になるなら、すぐに食べるかシェーブル以外を買いましょう。
これらのチーズは、パッケージによっても賞味期限が違ってきます。
チーズの専門店などでよくある、カット売りや紙に包まれているチーズの場合。
こちらは、上の記事にあるような考え方で良いでしょう。
賞味期限を気にせず、食べたい熟成度合いになっているものを選ぶのが〇。
よくわからなければ、お店の人にいろいろ聞いてみるのが一番納得できると思います。
そして一般的なスーパーなどで売られている、缶やプラスチックの容器に密閉されているもの。
こちらを手にすることのほうが、圧倒的に多いかと思われます。
これらは食べごろの状態でパックされていますので、開けたとき=食べごろ。
開けなければ長期保存できるものが多いですが、開けたら早めに食べてしまうのがベターです。
「食べることが可能な期限」ということであれば、開封後10日程度は大丈夫かと思います。
ただし、味わいは劣化していきます。
プロセスチーズの場合
プロセスチーズは、熟成がすすまないため賞味期限は非常に長いです。
ちゃんと密封して冷蔵保存しておけば、味わいが変化したりすることはありません。
だいたい9か月~1年くらい賞味期限があるので、その間に食べればOKです。
どのチーズにも言えること
どのチーズでもそうですが、パッケージから出した時点から品質は変わっていきます。
ですので、パッケージングされているものは、開けたら早く食べるのが基本です。
「白カビチーズやシェーブルなどを熟成させて食べたい」という場合は、冷蔵庫で
そして、賞味期限にかかわらず、こうなったら食べないほうがいいです。
- そのチーズの特徴である以外のカビが生える(白カビチーズに赤いカビなど)
- 腐っているようなにおい(きついアンモニア臭など)
- カチカチに乾燥している(もともとそういうタイプのものは除く)
- 舌にビリビリくる味(にがい、すっぱい)
明らかにおかしい見た目やにおいがすれば、思い切って捨ててしまいましょう。
逆に言えば、見た目やにおいが問題ないなら賞味期限を多少過ぎていても大丈夫です(フレッシュチーズを除く)。
賞味期限にしばられない
特にナチュラルチーズにおいては、賞味期限を気にせず食べられるものは多いです。
熟成を楽しむのも、ナチュラルチーズの醍醐味。
賞味期限は、あくまで食べきる時期の目安としての考え方で良いかと思います。