どんなお酒にも合わせられる、肴として非常に優秀な食品である「チーズ」。
ではチーズにはいったいどのくらいの種類があるのでしょうか。
一般的な分類について今回は書いてみたいと思います。
チーズの種類
そもそもチーズとは
チーズとは、牛やヤギなどの乳を原料としてそこから水分を除去してタンパク質と脂質を固めたもの。
元々の乳とは全く違った見た目や味・香りを持ち、保存性や栄養分も高まることから、世界中のいたるところで作られて食されています。
歴史的にも非常に古く、紀元前7000年ごろから作られていたとの記録もあるほどです。
ナチュラルチーズとプロセスチーズ
市販されているチーズは2種類に大きく分類されます。
「ナチュラルチーズ」とは乳酸菌や酵素の働きで乳を固めたもので、時間とともに熟成し見た目や味わいが変化していきます(フレッシュチーズなどは除く)。
乳酸菌などの微生物が生きており、非常に多種多様なチーズがあります。
上記の「ナチュラルチーズ」を加熱して溶かし、乳化剤を加えて固めたものを「プロセスチーズ」と言います。
加熱によって微生物は死滅しており、熟成が進むことはありません。
ただ、品質は安定しており保存性にも優れています。
また様々な形に成型することもでき、老若男女問わず万人受けする味わいです。
6Pチーズやスライスチーズ、キャンディチーズなどがこれに当たります。
ナチュラルチーズの分類
ナチュラルチーズは一般的に7種類に分けられています。
乳酸菌や酵素などでチーズを固めて水分を除去した後、熟成させずに食べるタイプのもの。
そのまま固めたものもそうですが、「パスタ・フィラータ」という製法で作られるものもあります。
「パスタ・フィラータ」とはお湯の中でチーズを練りながらつくられる製法で、「モッツアレラ」に代表されるように、熱したら繊維状に伸びるチーズになるのが特徴。
どのチーズも乳の風味が生きていてクセが少なくあっさりとしているので、そのまま食べる以外にもフルーツを混ぜているものがあったり、またお菓子の原料などにもよく使われます。
フレッシュタイプにおいては、出来たてに近いほうが味が良いとされています。
カマンベールに代表される、表面が白カビで覆われているチーズです。
成型したものに白カビ菌を吹き付ける方法が一般的で、チーズの表面から熟成が進みます。
食べやすくクセの無いものが多いですが、芯がトロトロになるまで完熟しているものは香りやコクが強烈なものも。
表面を塩水やワインなどのアルコールで洗いながら熟成させるもの。
リネンス菌(納豆菌の一種)がチーズの表面に繁殖して熟成を進めます。
独特で強い香りを持つものが多いですが、中身はクセは少なくクリーミーです。
外皮を取って中身だけ食べれば、香りもあまり気になりません。
シェーブルはヤギ、ブルビは羊の乳を使用したものです。
シェーブルはぽそぽそとした食感でちょっとクセがあります。
小型のチーズが多く、灰をまぶしたりカビがついたものなど多種多様で個性的。
ブルビはタンパク質や脂肪分が牛乳よりも多く、まろやかで濃厚な味わいのものができます。
チーズの内側に青カビを繁殖させて作られるチーズ。
青カビの繁殖には空気が必要となるので、チーズに孔を開けたり成型時に隙間を持たせて成型したりします。
その空間に沿って青カビが繁殖するので、中身は大理石のようなきれいな見た目に。
味わいは刺激的な香りと強い塩味を持ちますが、この味わいに慣れると病みつきになります。
チーズを加熱しながら撹拌し圧搾して脱水することで、非常に硬いチーズになります。
残っている水分量でセミハードタイプ(半硬質)とハードタイプ(硬質)に分かれ、セミハードタイプは水分が38~46%で食べやすくマイルドな味わいのものが多い印象。
水分を除く際に40度以上に加熱するかどうかで「非加熱圧搾タイプ」か「加熱圧搾タイプ」かに分かれます。
水分が38%以下で、非常に大きなものが作られます。
熟成期間も最短で6か月、長いもので3年以上熟成させるものも。
水分が極端に少ないため削れるくらいに硬く、長期熟成によりうまみ成分が増してその成分が結晶になっているもの(パルミジャーノレッジャーノなど)もあります。
楽しみ方は無限大
どんなお酒に合わせてもマッチしてくれるチーズ。
ナチュラルチーズは同じチーズでも日々味わいが変化するのも面白い所。
色々なチーズに合うお酒を探すのもまた楽しいです。
まだまだ国内で手に入れられるところは少ないのですが、見かけたら一度試してみる価値はあると思います。