若い方を中心に「アルコール離れ」している、とずいぶん前から言われています。
確かに昔と比べれば、味わいや度数もライトなものが増えたように感じます。
でも、そんな流れにはまったく動じない、強烈なお酒もたくさんあるんです。
そういったものを調べてみました。
度数の高いお酒とは
醸造酒と蒸留酒
お酒は、つくり方によって大きく下記に分けられます。
・ビール・日本酒・ワインなどの「醸造酒」
・ウイスキー・焼酎・ブランデーなどの「蒸留酒」
「醸造酒」とは、原料に含まれている糖分を微生物によってアルコール発酵させたもの。
なので、糖分がなくなれば発酵は止まります。
また、アルコール度数が高くなれば微生物が死んでしまいますのて、それほど高いアルコールのものはつくれません。
一方「蒸留酒」というのは「醸造酒」を沸かしてつくったもの。
お酒を火にかけると、沸点の低いアルコールが先に蒸発。
その蒸気を集めて冷やすと、濃縮されたアルコールになります。
この一連の作業が「蒸留」。
「蒸留」を繰り返すことで、さらに度数の高いお酒をつくることができます。
ですので、度数の高いお酒は必然的に「蒸留酒」となるわけです。
では、醸造酒で一番度数の高いものは何でしょうか?
意外かもしれませんが、それは「日本酒」。
ビールやワインなどに比べても、日本酒のアルコール度数は高いです。
「67.5度のビール」なんていうヤバいのもありますが、発酵後に冷凍させて凍った水分を取り除く、という作業をするので、純粋な醸造酒というカテゴリーとはちょっと違います。
何らかの加工をして度数を高めているものはありますが、「醸造酒」では日本酒が世界一度数が高い、と言えます。
蒸留酒いろいろ
蒸留酒には、その原料によってさまざまな種類があります。
細かい説明は省きますが、おおまかに
・ビールを蒸留させれば「ウイスキー」
・ワインを蒸留させれば「ブランデー」
・日本酒を蒸留させれば「米焼酎」
こんな感じです。
そのほかにも小麦(ウォッカなど)トウモロコシ(ウイスキー、ウォッカなど)さとうきび(ラム酒など)イモ類(芋焼酎やウォッカなど)なども原料にされます。
変わったところでは、「リュウゼツラン」というアロエのお化けみたいなものを使った「テキーラ」なんかも。
こうして作られた蒸留酒(スピリッツと言います)に様々な味付けをしたものが、ジンやリキュールとなります。
これらは醸造酒を蒸留してつくられますので、アルコール度数は高め。
水や炭酸などで割ったり、またそのまま飲むときはちびちびと飲むことがほとんどです。
世界で一番は?
さて、ここからが本題です。
世界で一番度数の高いお酒って、どんなものなんでしょうか?
3位から見てみましょう。
「ゴッチェ・インペリアル」
イタリアのお酒で、度数は92度です!
ハーブを使ったリキュールで、なんと修道院で作られています。
ヨーロッパでは、修道院でお酒がつくられているのはよくあることです。
しかし、ここまで度数の高いお酒をつくるとは、どういった修道院なんだろうか…。
参照:Gocce Imperiali Tintura Imperiale dei Monaci Cistercensi(イタリア語です)
「エバークリア」
アメリカのお酒で、度数は驚愕の95度!
Oh!クレイジー!
田舎の男子大学生が「安く酔えるから」と飲んだり、度胸試しに一気飲みしたりするそうです。
アメリカでも、度数が高すぎるので販売してはいけない州も存在するほど。
日本にも入ってきていません。
そして、このお酒の特筆すべきところは「味がまずい」ということ。
「ゴムのような味でくさい」という、さんざんな評価です。
田舎の貧乏大学生以外に需要があるのか、はなはだ疑問です…
参照:Everclear (alcohol) – Wikipedia(英語です)
「スピリタス」
1位は「スピリタス」。
酒販業界では有名な、超ヤバいお酒。
ポーランドのウォッカで度数は96度!!!
正気の沙汰ではありません。
まさにアルコール度数界隈のKing of Kings。チンペイもべーやんもびっくり。
蒸留でつくることができるアルコールは、このあたりの度数が限度。
ですので、これを超える蒸留酒をつくることはできません。
「スピリタス」がつくられている限り、度数ランキングは永久に1位です。
ちなみに、よく売られている消毒用のアルコールは約70度。
はるかに凌駕しています。
実際、ポーランドでは「スピリタス」を消毒用に使ったりしているそうです。
何かを混ぜているわけでもなく、きれいなアルコールだからでしょう。
そして、スピリタスは普通に日本で売っています。
ドン・キホーテにも売っていました。
置いてあるバーも結構あります。
普通に売っているからといって、面白半分でそのまま飲んだら命にかかわります。
マジで。
私も若いころストレートで飲んだことがありますが、唇と喉が痛くて飲めたものではありませんでした。
誰や「ほのかな甘みを感じられる」とか言うたやつは!
アルコールのにおいと味しかせんわ!
ポーランド人どないなっとんねん!
と薄れゆく意識の中、心の中で叫んでいたのを思い出します。
注意
火気厳禁です。
これだけ度数が高いと普通に燃えます。
危険物扱いです。
たばこなんか吸いながら飲んだら、取り返しのつかないことになる可能性が大です。
実際、火災になったこともたくさんあります。
そして、調子に乗ってそのまま飲むようなものではないです。
ものすごく薄めるか、そのまま飲むならなめる程度にしておいた方が賢明です。
もしどこかで飲む機会があったら、これだけは必ず守ってください。
本当に命にかかわります。
お酒は適量で楽しみましょう。