最近、大手メーカーも品質にこだわったビールを次々に出してきています。
でも、たくさん種類があってよくわからない
プレミアムビールはそれぞれ特徴が際立っているので、好みに合うものを探すのがむずかしいと悩まれることもあるでしょう。
そこで今回は、5大ビールメーカーが出しているプレミアムビールを私が実際に飲んでみた感想をご紹介します。
ぜひ、購入前の検討材料として見ていただければと思います。
キリンビール
SPRING VALLEY 豊潤 496
SPRING VALLEY(スプリングバレー) (springvalleybrewery.jp)
まずは、キリンビールが展開しているクラフトビール「SPRING VALLEY 豊潤 496」のご紹介です。
今までレストランや飲食店だけでしか飲めなかったキリンのクラフトビールが、2021年3月から缶ビールとして全国展開するようになりました。
CMを見かけた方も多いのではないでしょうか
キリンラガービールと比較して麦芽を1.5倍使用。
また4種類のホップを組み合わせることで、心地よくバランスの良い香りがうまれます。
また、「ディップホップ製法」という、ホップを7日間漬け込む製法を採用しています。
じっくりていねいに香りを引き出すことで、豊かな香りと後口のスムーズさを両立。
豊潤な味わいと、綺麗な後味を実現しました。
ビアスタイルは「インディアペールラガー」。
ホップの効いたラガービールです。
「ビアスタイル」ってなんですか?
原料や発酵方法などで分類されたビールの種類のことです。
「酵母がないとビールができません」という記事などからくわしく知れますよ。
このように、製法や原料をとことん追求してつくられた「SPRING VALLEY 豊潤 496」。
1か月毎日飲んでも飽きない味わい。
この思いが、ネーミングにも隠されているようです。
1か月は多い月で31日あります。
1から31までを順にたすと…いくつになりましたか?
赤色の缶はデザインがしゃれています。
栄養成分表示。
度数は6%です。
茶色に近いやまぶき色。
キリンラガーよりかなり濃厚な色合いです。
香りはそれほど強くありませんが、口に含むとバッと広がるホップの柔らかな苦みとうまみ。
味は芳醇ですがクセは強くなく、非常に飲みやすいビールになっています。
平均点が高いビールという印象です
サッポロビール
SORACHI 1984
SORACHI 1984 | サッポロビール (sapporobeer.jp)
サッポロビールのプレミアムビールで、まず思い浮かぶのが「エビス」。
しかし、サッポロはエビスだけではありません。
ここでは「SORACHI 1984」をご紹介します。
「SORACHI 1984」の最大の特徴は、なんといっても「ホップ」。
伝説のホップ「ソラチエース」を100%使用しています。
「ソラチエース」とは、サッポロビールが北海道の上富良野で長年研究・開発し、1984年に品種登録したものです。
その特徴は、レモングラスやヒノキを思わせる独特で爽やかな風味。
その際立った特徴が当時の日本のビールには合わず、まったく普及しませんでした。
しかし、その独特さがアメリカで認められて、世界中に広く知られるようになります。
そこから長い年月を経て、ようやく日本で製品化。
「ソラチエース」はアメリカ産だけではなく、オリジナルである上富良野産のものも一部使用されています。
ビアスタイルは「ゴールデンエール」。
しかし、ビアスタイルにこだわるよりもホップを存分に楽しんでほしい、という思いがつまったビールです。
白でシンプルな缶。
「ソラチエース」が大きくデザインされています。
裏面には「ソラチエース」の説明が。
栄養成分表示。
度数は5.5%です。
黄金色に近い麦わら色。エールとしてはかなり薄い色合いです。
さまざまなハーブや香木が入り混じったような、深く複雑な香り。
味わいもライムやハーブを強く感じ、まさにホップの特徴を楽しむビールに仕上がっています。
日本のビールには合わなかったのがわかる気がします…
サントリー
TOKYO CRAFT ペールエール
TOKYO CRAFT 〈東京クラフト〉|サントリー (suntory.co.jp)
サントリー武蔵野工場でつくられているクラフトビール「TOKYO CRAFT」。
「東京」に愛着と敬意をこめて、つくりあげられています。
東京周辺の飲食店でしか味わえなかったプレミアムビールが、缶ビールで展開されています。
半世紀にわたって、東京でビールづくりを続けてきたサントリー。
そのこだわりも、また半端ではありません。
・武蔵野の天然水使用
・国産麦芽使用
・希少なギャラクシーホップ使用
また、2021年のリニューアルで麦芽とホップの配合の見なおしがはかられました。
それにより「鮮烈で爽やかな香り」「洗練された味わい」を実現。
ギャラクシーホップの特徴である「フルーティさ」を生かした商品です。
ビアスタイルは名前の通り「ペールエール」。
発酵の条件にもこだわり、より香り立ちを際立たたせています。
鮮やかで目を引く青色の缶です。
缶の裏面。
栄養成分表示。
度数は5%となっています。
こちらもブラウン系のやまぶき色。
香りは爽やか、かつ華やかで、リンゴ・桃・かんきつ系のフルーツなどを感じます。
味わいはさらっとしており、酸味や苦みのバランスもとれています。
飲んだあとまったりとした余韻があります
オリオンビール
オリオン 75BEER
プレミアムクラフトビール『75BEER』 – オリオンビール (orionbeer.co.jp)
次は「オリオンビール」です。
沖縄でビールといえば「オリオン」といわれるほどのメーカーです。
沖縄県内のシェアは、なんと44%。
地元でどれだけ根付いているのかが、よくわかります。
ビールの街「名護」にちなんで名づけられた、オリオンビールがつくったクラフトビール「75BEER」。
2019年にはじめてつくられたものが、今回リニューアルされました。
・世界生産1%未満の希少ホップ「ELLA」「ENIGMA」を使用
・ホップの使用量は通常のオリオンビールの3倍
・沖縄県産大麦を原料に使用
・醸造家による手作業
これらにより、香りが引き立ち、心地よい苦みの余韻をじっくり楽しめるビールに仕上がっています。
ビアスタイルは「ピルスナー」。
下面発酵のラガービールです。
沖縄の夕暮れを感じさせる、とてもおしゃれな2色の缶です。
裏面。
ビールの説明文があります。
栄養成分表示。
麦芽以外に「大麦」が入っています。
アルコール度数は5%。
なぜ缶に「Asahi」と書いているのですか?
業務提携していて、沖縄以外ではアサヒビールが販売しているからです。
商品は沖縄でつくられています。
チークの家具のような薄い茶色。
香りも味わいも全体的に柔らかくて飲みやすく、南国のビールっぽさを感じます。
あとに残る苦みも爽やかです。
オリオンビールといえば「BEGIN」を思い出してしまいます
アサヒビール
アサヒ 富士山
最後はアサヒビール。
これは今までのビールとは少し方向性が違い、「アサヒビール」と「イオングループ」の共同開発となっています。
「アサヒビール 富士山」は、
・富士山の伏流水を使用
・こだわりの国産原料
・上面発酵酵母使用
が特徴。
エールビールでありながらすっきりと飲みやすい味わい。
缶には歌川広重の絵が印象的に描かれています。
これまでに2回限定で発売されており、今回で3回目。
今回も限定80,000ケースの出荷となっています。
浮世絵が描かれた缶。
裏面。
東海道五十三次の「由井」だそうです。
栄誉成分表示。
このビールには原材料に「米」が入っています。
アルコール度数は5.5%。
きれいな黄金色。今回試飲した中では一番薄い色。
ホップや香草の香りが立ち、華やかさもあります。
ホップの苦みとコクを感じますが、キレもあり飲みやすいビールです。
イオンでしか買えないのが残念です
家でのちょっとした贅沢に
ここまで大手5大ビール会社のプレミアムビールを紹介してきました。
定番品も良いのですが、家でちょっとだけ贅沢をしたいというときにはぴったりです。
外で飲食できないことが続いている昨今。
家飲みを充実させて、少しでもストレス解消にお役立ていただければと思います。
大手メーカーもこれからどんどん面白いものを出してほしいです