仕事終わりに、冷えたビールをゴクゴクとのどを鳴らしながら飲む。
ビール好きには至福のひと時です。
でも、そんな飲み方をしたら命にかかわるような、度数の高いビールがあるんです。
そんな「危険なビール」って、いったいどんなビールなんでしょうか。
アルコール度数の高いビール
ビールってどんなお酒
ビールは「醸造酒」というカテゴリーになります。
「醸造酒」とは、原料に含まれている糖分を微生物によってアルコール発酵させたお酒です。
おもにビールやワイン、日本酒がそれにあたります。
これとは別に「蒸留酒」というカテゴリーがあります。
通常、度数の高いお酒がつくられるのはこちらになります。
「醸造酒」は、アルコール度数の高いものをつくることができません。
糖分を分解してアルコールにしているので、糖分がなくなればアルコールはつくり出せません。
では、「糖分を足せばどんどんアルコールを高めることができるのでは?」となりますが、それもダメ。
アルコール度数が高くなれば、微生物自体がアルコールに耐えられず、死んでしまいます。
なので、醸造だけで度数を上げるのには限りがあるのです。
ビールで言えば、5~7度くらいのものが大半。
ワインでだいたい12~14度。
醸造酒で一番高くなる、と言われている日本酒でも、22度前後が限界だと言われています。
どうやって度数をあげるのか
このように、醸造だけでは度数を上げることができません。
では、どうやれば度数が上がるのか?
ドイツに「ボック」というスタイルのビールがあります。
8~10%以上と、ビールにしては高めのアルコールを持つこの「ボック」。
これを冷凍させます。
すると、水分だけが先に凍り、アルコールは凍らないで液体のまま残ります。
その氷を取り除くと、水分だけが減って、アルコールが凝縮されたビールに。
こうやって度数を高めてつくられたビールは、「アイスボック」といわれます。
ほかにも方法はあるのでしょうが、ビールの度数をあげるためには、この方法をとることが圧倒的。
ちなみに、1位から5位まですべて「アイスボック」です。
度数の高いビール
まずは「醸造だけでつくられる一番度数の高いビール」を紹介しておきます。
サミクラウス(オーストリア) 14度
サンタクロースの誕生日(12月6日)に販売されるという、オーストリアのビールです。
昔はこれが「一番度数の高いビール」としてギネスブックに載っていました。
10年くらい瓶内熟成でき、5年目あたりが飲み頃とか。
さて、ここからが本番です。
醸造だけではたどり着けない、常識人ではつくろうとも思わない度数のビールがでてきます。
では、5位から順に見ていきましょう。
ジ・エンド・オブ・ヒストリー(スコットランド) 55度
「歴史の終わり」という、まったく将来性を感じさせないネーミングのビール。
度数にもおどろきますが、もっとびっくりするのがそのボトルのカバー。
「本物の動物のはく製」を使っています。
飲む気うせるやろ…
参照:「小動物のはく製」ホルダー入りビール発売:AFPBB News
ショルシュボック57(ドイツ) 57度
名前の通り、57度のビール。
「ショルシュブロイ」社の「ボック」で「57度」というところからきているネーミング。
まじめか!
スタート・ザ・フューチャー(オランダ) 60度
(画像は拾い物です)
ついに60度を超えてきました。
「未来のスタートと呼ばれる驚くべき60%のビール」だそうです。
これを飲んだら明るい未来がスタート…ってイメージわかんわ!
アルマゲドン(スコットランド) 65度
ビールなのに65度。まさにアルマゲドン。
ブリューマイスター社という、スコットランドにあるビール会社のビールです。
高アルコールビールをつくるメーカーは、世界を滅ぼす傾向があるようです。
参照:「アルマゲドン」ビールは世界最強 | ハフポスト LIFE (huffingtonpost.jp)
さて、栄光の第1位です。
スネーク・ヴェノム(スコットランド) 67.5度
おめでとうございます。1位に輝いたのは「スネーク・ヴェノム」です。
「蛇の毒」という名前のこのビール。
もう「毒」って自分でいうてしまってますやん!
消毒用のアルコールが70度前後なので、ほぼ消毒用アルコールと同じ。
正気とは思えません。
それでも、「味わいは甘味があって飲みやすく、麦芽もちゃんと感じられる」とか。
ほんまかいな。
ちなみに、1位と2位は同じ会社のビールです。
大丈夫かここの人たち。
5位から1位までのビールの度数は、純粋に醸造だけで得られたものではありません。
「凍結して水分を取りのぞいた」ビールが、はたしてビールと呼べるのか?という議論はあります。
まあ、メーカーが「ビール」だといっているので「ビール」でいいのでしょう。
普通のビールのように飲んだらダメ
これらのビールは値段がとても高く、また数量も少ないので手に入れるのは簡単ではありません。
もし手に入れることが出来たとしても、日本の缶ビールと同じような飲み方は絶対に厳禁です。
死ねますよマジで。
万が一飲む機会があったとしても、ちびちびとなめるように飲むのが正解。
お酒はおいしく適量を。