「生ビールはおいしい!」
これは間違いありません。
しかし、「生ビールは、生だからおいしい!」
というのは、どうなのでしょうか?
やっぱり生ビールでないと。
熱処理しているビールなんてまずくて飲めんわ。
もし、知ったかぶりで嫌な上司にこんなことを言われたら…
やっぱそうですよねー
(本当かよ。うさんくさいな。)
と思ってしまうのも、無理はありません。
はたして、生ビールがおいしいのは「生だから」なのか?
そこで、今回は「飲んだだけで生かどうか判断できるのか」という観点のみで検証してみました。
生ビールと熱処理ビール
ビールは、大きく2種類に分けられます。
・製造時に熱処理しているもの
・製造時に熱処理をおこなわないもの
「製造時に熱処理をおこなわないもの」が、いわゆる「生ビール」ということになります。
そして、その「生ビール」にも2種類あります。
1.ろ過や熱処理をまったく行わないもの
2.目の細かいフィルターでろ過をして、除菌しているもの
日本の大手ビールメーカーの生ビールは、ほとんどが「2」になります。
今回は、一般的によく飲まれている「2」の生ビールで検証してみたいと思います。
2種類の生ビールについては、「ビールの「生」ってどういうこと?に答えます」という記事にくわしく書いていますので、よければご参照ください。
キリン ラガービール
今回使うビールは、
「キリン ラガービール」
です。
商品ラインナップ|キリンラガービール|ビール・発泡酒・新ジャンル|キリン (kirin.co.jp)
「キリン ラガービール」には2種類あります。
「キリン ラガービール」
「キリン クラシックラガー」
どちらも、キリンのラガービールです。
大きな違いは
「熱処理しているか否か」
ということ。
「ラガービール」が生ビールで、「クラシックラガー」が熱処理しているビール。
その違いを実際に飲み比べてみます。
飲み比べてみました
まずは、「キリン ラガービール」。
よく見かけるのはこちらです。
対して「キリン クラシックラガー」。
少しクリーム色がかった、高級感のあるデザインです。
栄養成分表示です。
ほとんど違いはありません。
大きな違いは、「キリンラガービール」には金色で「生 非熱処理」の文字がある、ということ。
さて、実際に飲んでみることにします。
こちらが「キリンラガービール」。
生ビールになります。
きれいな琥珀色でホップの爽やかな香りと味わいです。
そしてこちらが、熱処理ありの「クラシックラガー」。
・・・ん?
少し苦みとコクが強いように感じますが、そこまでの違いは感じません。
味は確かに違いますが…
並べてみました。
すみません…どっちがどっちかわかりません…
僕もです…
それぞれの缶をおいてみました。
それでも、色あいの違いはよくわからないレベルです。
かつて行われた比較テスト
じつは、公的機関でこのようなテストは過去に行われていました。
国税庁醸造試験所(現・酒類総合研究所)で官能検査による比較が行われた。
つまり、それぞれ充填されたばかりの「低温殺菌されたビール」と「低温殺菌されていないビール」を目隠しで比較テストしてみた、ということだ。
その結果、「違いは認められるものの、熱処理の有無で味や香りに差はない」という報告が出ている。
出典:青井博幸(2019)『ビールの教科書』 講談社学術文庫
お酒を見分けるプロにしても、「生」かどうかの判別はむずかしいという見解です。
私の感想も、はずしていなかったようで安心しました
たしかに違いはある
「キリン ラガービール」と「キリン クラシックラガー」。
まったく同じビールではないので、今回の飲み比べについては異論があるかもしれません。
ただ、ひとつ言えることは、
「生かどうか」なんて、飲んでもわからん。
これにつきます。
たしかに、味は違います。
しかしながら、「生かどうか」という判断は、私にはまったくつけられませんでした。
わかるわけあらへん。
魚やあらへんねんから。(個人的意見です)
「いや、そんなことはない。絶対生の方がうまい!」
とおっしゃる方には、「クラシックラガー」を冷えたジョッキに入れて飲ませてあげてください。
生かどうかは、99.9%わかりませんから。
もし、
「ん?これ熱処理しているビールじゃないの?」
とおっしゃる方がいらっしゃったら…
ビールメーカーへの転職をおすすめします(笑)。
「生ビールかどうか」だけにこだわるのは、ナンセンスです